2018.08.09 金になるリフォーム、金にならないリフォーム
まず、リフォームすることで「誰に嬉しい住まいになるか?」という、ターゲットのイメージが明確にできるかがポイントです。明確にイメージできないのであれば、そのリフォームをしても家賃アップや空室改善につながらないかもしれません。そのようなリフォームは、金にならないリフォームと言えるでしょう。
たとえば、築年数が古いアパートを所有していて、外観も室内も全面的にリフォームするとします。ただ、室内や外観の全面リフォームだと、コストがかかり家賃が高くなってしまいます。仮に、そのアパートのメイン居住者が若い単身男性だったらどうでしょうか?
若い単身男性は、室内や外観のきれいさよりも、とにかく家賃が安いことを重視するかもしれません。そのため、リフォームして家賃が高くなるよりも、そのままの状態で家賃が安い方が嬉しいと思う可能性もあります。
一方、この物件の近くに女子大学があり、その大学に通う学生が多く住んでいるエリアだったらどうでしょうか?恐らく、重視するのは「家賃の安さ」以外に、セキュリティや水回りなどの仕様・設備だと思います。いくら家賃が安くても、セキュリティがしっかりしていない家に、親は大事な娘さんを入居させたくないでしょう。
このとき、セキュリティ強化の観点で、玄関をダブルロックにして鍵もディンプルキーに変えるだけでも効果は高いかもしれません。また、外観よりも水回りをリフォームした方が評価は高いかもしれません。このように、リフォーム後のターゲットを明確にイメージできるかどうかは、金になるリフォームかどうかのポイントになります。
次に、そもそもリフォーム業者に依頼する必要はあるか?という点もポイントです。リフォームには色々な種類があり、たとえば「外壁の塗装」や「クロスの張替え」などは専門性が高いので、リフォーム業者に依頼した方が良いでしょう。
ただ、以下のようなリフォームであれば、DIYを活用することでリフォーム費用が抑えられるかもしれません。
・収納スペースに戸棚を加える
・建具(ドアなど)の修繕
・フローリングの修繕
投下したリフォーム費用と家賃の上昇分の対比は、費用対効果の高さを表します。リフォーム費用を抑えれば費用対効果が高いリフォームになり、それは金になるリフォームと言えるでしょう。
リフォーム後の出口(売却先)を計算するのも重要です。収益物件を売却するときは、その物件にどのくらい収益性があるか?が重視されます。そのため、リフォームして家賃を高くし、その上満室経営になったら価値の高い収益物件になるでしょう。
その状態がまさに売り時であり、売却金額によってはリフォーム代金を回収した上に、大きな利益になることもあります。そのため、リフォームした後の家賃はどの程度上がるか?また満室稼働になるほどの効果はあるか?を計算しましょう。
その上で、物件の査定は今どのくらいか?また、リフォーム後にはどのくらいの金額アップが見込めるか?という点を算出しておきましょう。この金額は、仲介会社に相談し、周辺の物件を参考にしながら計算すると良いでしょう。