2018.11.12 投資偉人伝。カール・アイカーンに学ぶ投資家としての姿勢
カール・アイカーン氏は1936年にニューヨーク市のクィーンズ地区に生まれ、両親は学校の先生という平凡な家庭で育ちました。カール氏の投資人生は25歳のときにはじまります。カール氏は投資のために自分の会社を立ち上げ徐々に資金を増やしていき、次々と有名企業の株を買っていきます。
「企業乗っ取り屋」の異名をとるほど数多くの企業の株を購入していたカーン氏ですが、以下のような発言をしています。
「私は、ロビン・フッドではない。お金儲けすることを楽しんでいるんだ。」
ロビン・フッドは盗賊でありながらも民衆から絶大な人気を得ています。「ロビン・フッドではない」ということは、悪いことはしないけど、人々のためになるようなことはしない・・・あくまで自分の楽しみのために投資をしている。ということです。
投資家としてカール氏は、単に投資するだけでなく「物言う株主」として企業にどんどん口を挟みます。たとえば、YahooにはYahooの検索事業を欲しがっているマイクロソフトに株を売るように強く求めるなど、もはや「口を挟む」というレベルではありません。
カール氏は、「どうすればベストな状態になるか」という目標のためには、企業や人との衝突を恐れない人物だったのです。
さて、次にカール氏の投資哲学が垣間見られる数々の彼の発言を紹介していきます。
カール氏はこんな発言をしています。
「リスクを恐れてはならない。リスクがあるところには、その分、得られるものがあるのだから。」
これは、前項で解説した「企業や人との衝突」という意味と、「未知なるものへの恐怖に打ち勝ってこそ成功できる」という意味があります。どんな投資にもリスクはつきものですが、自分が信じた道であればリスクを恐れず突き進むことの大切さを説いています。
カール氏はこんな発言をしています。
「ウォールストリートの投資アナリストは年に4回、それぞれいかに儲けるかを気にかけているけれど、私は企業をビジネスと見ている。私が企業から買うのは会社の資産とその会社の今後の生産性だ。※一部略」
企業の本質は「その会社がどれほど利益を上げられるか?」であり、言い換えれば生産性の高さです。しかし、多くの投資アナリストは生産性という本質を見ずに、表面上の数字だけしか見ていません。投資で儲けるためには、その本質を見抜く必要があると説いています。
不動産投資というのは、得てしてリスクを伴うものです。たとえば、融資は「借金」というリスクですが、「レバレッジ」というメリットにもなり得ます。その点は、カール氏のいう「リスクを取る」という点と共通してくるでしょう。そして、不動産投資でもカール氏のいう「投資の本質を見抜くこと」は重要です。
不動産投資の本質とは、「収益を上げ続ける物件の取得」であり、それには長期的な戦略と都度の見直しが重要です。将来的な賃料は?経費の金額は?競合物件は?空室リスクは?などなど、不動産投資の基本を押さえ、なるべく精度の高い計画を立てることが不動産投資の本質といえます。
このように、不動産投資で欠かせないのは長期的な戦略とその見直しであり、これが投資の本質であるといえるでしょう。株式投資市場が刻一刻変化するように、不動産投資市場も刻一刻変化を続けています。
それを常にウォッチしつづけ、臨機応変に対応することが投資の成功につながります。まずは、収益の観点からリスクを洗い出し、将来的な計画を立てましょう。