2018.11.20 不動産を購入していない 「二代目大家」が羨ましいと感じるあなたへ。
特に、不動産投資について調べれば調べるほど「大変さ」が分かるので、二代目大家への嫉妬は大きくなっていきます。しかし、果たして本当に二代目大家は得なのでしょうか?今回は、その点を色々な角度から検討していきます。
まず、わたしたち一般人投資家が二代目大家に負けている要素を棚卸ししていきましょう。
前項のように、初期費用が少額で済むフルローンですが、メリット・デメリットを理解した上で利用しましょう。
初期条件で負けている点は以下です。
・相続した物件がある
・空室への対策を持っている
・家賃設定など過去の入居者情報
・そのエリアの特性
・入居者との関係性
・管理会社との関係性
一番大きい点は、やはり相続した物件がある点でしょう。通常は、金融機関から一千万円単位の融資を受け物件を取得します。しかし、二代目大家は既に物件があるので、融資金額はもちろん、物件を探す手間もかかりません。
また、次点で今までのノウハウがある点も大きいです。エリア的に家賃設定はどのくらいが適正か?空室のときはどのような対策をしたか?は蓄積されており、また管理会社もそのノウハウを知っているというのは、わたしたち一般投資家にはない点です。
「親の人脈を引き継ぐことができる」という点も負けています。何よりも「親本人」から情報を引き継げるので、正確かつリアルな情報を引き出すことができます。中には、子供が小さいうちに英才教育を施す親御さんもいるくらいです。
また、物件を複数所有しているのであれば、仲介会社との関係性もある程度できています。そのため、今までの取引を加味して、掘り出し物件を紹介してくれる場合もあるでしょう。
さて、そんな二代目大家を制しうるポイントは何でしょうか?それは、以下の2点です。
最も大きな違いは、本人に投資家マインドがあるとは限らない点です。親御さんは熱心な大家だったかもしれませんが、子供はそもそも大家業に興味がないかもしれません。また、興味があっても自ら物件を選び、購入した経験がないからこそ、その点のノウハウには欠けています。
だからこそ、親から受け継いだ投資家マインドや知識が重要になり、きちんと受け継がれていない場合は運用に失敗することさえあります。私たちのように「物件探し」から始めていれば、二代目大家も失敗せずに済んだというケースもあるでしょう。
つまり、二代目大家には、(人によりますが)逆に「自ら物件選びしたことがない」「自ら積極的に情報収集をしたことがない」というデメリットもあるため、二代目特有の苦労もあるということです。
1つ言っておきますが、不動産投資をするときに学ぶ、「物件選び・エリアの特性・管理会社の選定・関係性の作り方」などは、ものすごく貴重なノウハウです。わたしたち一般投資家は、その作業を強制的にやらされますが、その作業で得られるものは多いのです。
そのため、資産価値が低く、担保としても融資を引き出しにくいです。また、空室および家賃下落リスクも大きくなるため、その点も運用に支障が出る要素でしょう。
確かに、二代目大家は物件を相続できたり、運用に関するノウハウが蓄積されていたりする点は有利です。しかし、それも個人次第です。二代目大家自身が学ぶ意欲を持ち、ノウハウを自分の知見に替えないと意味がありません。
むしろ、物件選びなどの経験をしていない分、わたしたち一般投資家の方が有利とさえ言えます。二代目大家を羨ましがる気持ちは分からなくもありませんが、これらの理由によって一から不動産投資を始めた方が、真の実力が身につくでしょう。