2018.07.03 マンションにおけるリフォーム・リノベーションの「利回り改善」効果とは?
マンションの場合、リフォームは端的に言うと「原状回復すること」を指します。経年劣化で傷んだ床を張り替えたり、汚れた壁紙を張り替えたり、備品を新しくしたりする工事がリフォームです。言い換えれば、使用収益で棄損した箇所(マイナス)を修繕することで原状回復する(ゼロにする)ことを言います。
・表面的な修繕工事だけであるため、コストが比較的安く済む
・リフォームなら工事期間が短くて済むため、空室期間が短くて済む
・原状回復を目的とした工事であるため、付加価値をつけることが難しい
リノベーションは全く新しい価値をもった物件に改造する工事を指します。具体的には2DKのマンションを1LDKに作り替えたり、ワンルームタイプに作り替えたりすることです。全く違う新しい付加価値をつけることができる工事がリノベーションになります。
・リノベーションで新しい付加価値をつけることができるため、資産価値が向上する
・間取りを自由に設計することができる
・工事が広範囲になるため、コストが高くなる
・工事が広範囲になるため、空室期間が長くなってしまう
・解体後、想定外のトラブルが発生する可能性がある
リフォームとリノベーション、どちらも改修工事を入れるといった点で共通点がありますが、実際は全く別の行為です。
リフォームは原状回復することが目的ですので、物件の付加価値が上がるわけではありません。しかし、リノベーションの場合は住む人に合わせて間取りを自由設計することを指します。完全に「別の物件」になりますので物件に高い付加価値が加わります。
物件にリフォームを入れることで原状回復することができるため、新規の入居者を募集しやすくなることで「利回り」を改善することが可能になります。
物件を新たにリノベーションすることで、物件に付加価値が加わり家賃を値上げすることができるため、利回りを改善する効果が期待できます。
コストに合う対価が見込めるのかを考えた場合、投資マンションではリフォームを選択すべきです。リノベーションで付加価値をつけても、入居者がその価値をどのように評価するのかがわからないといった点も挙げられます。ここでは、リノベーションの魅力は住む人の生活に合わせた自由設計であることがポイント。誰が住むのかわからない状態でリノベーションをしても、入居者のニーズに合うのかは「?」となってしまうのです。コストに対するリターンを計算できないリノベーションよりも、計算しやすいリフォームを選択すべきだといえます。