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2018.08.05 ありえないほど安い物件の落とし穴。買ってからじゃ遅い接道義務の罠

世の中にはたくさんの投資用物件があり、儲かる物件もあれば、儲かりにくい物件もあります。投資家は儲けることが基本ですから、利回りが異常に高い物件や、相場より極端に安い物件があると、つい反応してしまいますよね。しかし、そのような物件には落とし穴もあるので、今回はその点を詳しく解説していきます。

 

安い物件には落とし穴がある

不動産投資の基本は、「収益性の高い物件の取得」になります。そのため、いかに収益性の高い物件を見つけるか?もしくは、いかに収益性の高い物件にするか?という点が投資家の醍醐味と言っても良いでしょう。

そんなとき、ありえないほど安い物件に出会うと、投資家としてはワクワクするものです。しかし、当然ながら安い物件には安い物件なりの理由があります。その理由が、投資家の将来的なリスクにつながることもあるので、良く吟味して物件選びをしなければなりません。

 

再建築不可物件とは?

「ありえないほど安い物件」の代表格は、「再建築不可物件」になります。再建築不可物件とは、読んで字のごとく再建築できない物件のことです。なぜ再建築できないかというと、建築基準法に適合しておらず、本来であれば建築してはいけない建物だからです。

この再建築不可物件の大半は、建築基準法で定められている接道義務を守っていない物件になります。建築基準法42条で、建築物の敷地となる土地は、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」といった決まりがあります。

再建築不可物件は、この規定に沿っていない物件であることが多く、これは建築基準法が施行される前に建築されたり、何かの理由で法律をかいくぐった物件になります。

ただし、一度建物を建築して、そこに入居者がいるのであれば、行政の立場でも建物を強制的に解体させることは難しくなります。そのため、いわゆる「既存不適格」のまま再建築不可物件が残っている状態というわけです。

再建築不可物件のリスクとは?

再建築不可物件は確かに安いですが、以下のようなリスクがあります。

・ローンが付きにくい

・再建築できない

 

まず、金融機関も再建築不可物件は担保評価を低く見積もるので、簡単にはローンを融資してくれません。そのため、ローンを借り入れて購入するハードルは高いです。

また、再建築不可物件を購入して建物を解体して土地活用しようとしても、そもそも建物を建ててはいけない土地なので再建築できない点もリスクです。

リノベーションによる活用

ただ、そのような安い物件を購入し上手く運用するのが、投資家の腕の見せ所とも言えます。再建築不可物件を取得して投資用物件にする場合は、再建築するのではなく、リノベーションするという方法があります。

再建築不可物件は築年数が古い物件が多いので、リノベーションすることで資産価値を上げるというわけです。そうすれば、安い取得価格で、ある程度の家賃額を設定でき、高い利回りで運営できるかもしれません。ただし、共同住宅(アパートやマンション)は建築基準法上「特殊建築物」に該当する点に注意です。

というのも、特殊建築物は、一定以上の規模のリノベーション工事になると、確認申請が必要になるからです。そうなると、リノベーションではなく、再建築と見なされてしまうのです。そのため、リノベーション工事会社とよく話をしつつ、リノベーション工事の範囲内と認められるような規模にする必要があります。