2018.08.07 銀行は何を信頼し、何を信用しないのか。銀行目線で考える”融資”(前編)
不動産投資は一千万円クラスの商品になるので、現金で一括購入するのは中々難しいです。また、現金が手元にあったとしても、一気に数千万円の現金が手元からなくなってしまうのは不安でしょう。
そのため、基本的に不動産投資で物件を取得するときは、金融機関から融資を受け、そのお金で物件取得すると思っておきましょう。だからこそ、不動産投資をするときは融資についての理解を深める必要があるのです。
たとえば、1,000万円の物件を取得して、年8%の利回りで回したとします。その場合、年間の所得は80万円になるので、これを「不労所得」とは言い難いです。また、年80万円の所得だと、そのお金を元手にほかの資産を購入し、どんどん資産を増やしていくのも難しいと言えるでしょう。
そこで、銀行から融資を受け1,000万円でなく5,000万円の物件を取得したらどうなるでしょうか?同じ年8%の利回りで回せたとしたら、年間400万円の所得になるため、これは立派な不労所得と言えるでしょう。
その5,000万円は融資してもらわないと厳しい金額なので、融資することで不労所得を生み出せるとも言えます。今までローンを組んだことがない人は、もしかしたら「5,000万円もローンを組めるのか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、5,000万円クラスの住宅は世の中にたくさんあり、その住宅を買っている人の大半はローンを組んでいます。つまり、数千万円規模のローンを組むことはそう珍しいことではないということです。
以前は「貯金額の10倍までしかローンは借りられない」と言われていました。
ただ、現在の銀行はマイナス金利の煽りを受けて収益が低下しているので、昔より借り入れはしやすい状況です。100~200万くらいの自己資金で数千万円の借り入れという話もありふれています。
さて、次に銀行目線で融資を考えてみましょう。わたしたちからすると、銀行にお金を借りる立場ですが、銀行は借入者を審査してお金を貸す側です。その際、借入者の年齢や年収、勤務先や勤務年数など、さまざまなこと審査します。
そして、不動産の融資において、借入者のプロフィールと同じくらい大事なのが「不動産の担保価値」です。銀行からすると融資をする代わりに、不動産に抵当権(担保設定)を設定します。要は、借入者が返済できないときに、その物件を強制的に売却するための権利です。
仮に、自宅を先に住宅ローンを利用して購入したとします。しかし、銀行から見ると、「自宅」は「何の収益も生み出さない物件」になるのです。「収益を生まない資産」を銀行は信用しないので、自宅から購入してしまうと次に投資物件を買いにくくなります。
そのため、まずは収益を生み出す「銀行から担保価値があると信用される収益不動産」から買いましょう。そして、不労所得を生み出し、その不労所得で自宅を買うという流れの方が効率的と言えるでしょう。