2018.08.23 物件購入の時点で、「お前はすでに死んでいる」不動産投資家が多い件について
意外と多い例は、マイホームを買っているという投資家です。マイホームは自分が住む家なので、収益を生み出しているわけではありませんし、住宅ローンを組んでいれば銀行の抵当権が設定されています。そのため、マイホームはほかの銀行から見ると「収益を生み出していない、他銀行の抵当が張り付いている物件」という扱いです。
このような物件に担保価値はないので、マイホームを買ってしまっていると無駄な借金を背負っていると見られ、投資用物件の取得時に融資が下りにくいのです。一方、銀行からの融資は、少ない初期費用で高額な投資をするという、不動産投資の利点である「レバレッジ効果」には欠かせません。
そのため、融資を受けずに不動産投資をするという選択肢は考えにくく、マイホームを買ってしまうと、このレバレッジ効果の恩恵も受けにくくなるというわけです。
たとえば、5000万円くらいの物件を購入したとして、直近が赤字だとここでゲームオーバーです。なぜなら、所有している不動産が赤字であれば、それは資産ではなく負債だからです。
1,000万円くらいの規模の物件であれば、赤字であっても収支のマイナス金額は小さいです。そのため、総資産額などにもよりますが、銀行側もそこまで問題視しないでしょう。
しかし、5,000万円クラスになると、赤字のインパクトは大きくなってしまいます。そうなると、銀行も融資を渋り出すので、前項のように融資を受けにくい状況になってしまうのです。
EXIT(出口)プランとは、この物件を将来的にどうしていくのか?というプランです。EXITプランがないということは、その物件の「現状」しか見ておらず、バイアウトするときの価値などを考えていないということです。不動産は実物資産になるので、よほどエリアの価値が高騰しない限り、資産価値は下落していきます。
そのため、3年後、5年後、10年後、20年後・・・と将来的に資産価値がどのように変化して、その変化を加味した物件選びをしているかどうかは重要になるのです。そのプランがない投資家は、仮に現時点で収益を上げていたとしても、いずれ収益はマイナスに転じるでしょう。
不動産投資は、管理を管理会社に任せることが多いため、管理コストがかかります。たとえば、一棟物件を所有するのと、区分(一部屋)所有するのとでは、どちらが管理コストは下がると思いますか?答えは、ボリュームディスカウントが出来る一棟物件です。
しかし、それを考えずにバラバラと区分所有を持ってしまい、無駄に管理コストを負担している投資家もいます。そのような投資家は大抵「コスト」全般に関しての意識が低いです。コストは収支の「支出」部分になるので、前項と同じように現時点で収益を上げていたとしても、いずれ収益はマイナスに転じるでしょう。
これから不動産投資を始める方は、このように「お前はすでに死んでいる」…という状態に陥ってしまった、先人たちの失敗を糧にしましょう。たとえば、マイホームをもう買ってしまったという人。マイホームは「収益を生まない借金」です。しかし、言い換えると借金をしていなければ問題ないので、少しでも早く返済できるようにライフプランを組み直すことも視野に入れてみましょう。
管理コストの知識がない人は今から勉強すればよいです。大事なのは、この失敗事例から学ぶことであり、自分の投資に活かすことです。