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ドラマ「ハゲタカ」から学ぶ、投資の基本(前編)

ハゲタカというドラマをご存知でしょうか?ハゲタカは人気ドラマゆえに、2007年と2018年の2回も放送されています。このドラマは日本の金融に切り込んだドラマであり、投資の基本を学ぶことができます。

 

原作は真山仁氏の小説『ハゲタカ』

ハゲタカは真山仁氏の小説『ハゲタカ』が原作となっています。

「ドラマと小説は別物です。なので、ドラマとして面白い『ハゲタカ』を見せて下さい。」

これは、真山氏がドラマのオファーを頂いたときに、NHKのドラマスタッフに言った言葉です。真山氏は、ドラマの脚本に余計な口出しをしませんでした。しかし、1つだけ「この小説の中で訴えたかったテーマだけは残して欲しい」という点はこだわりました。

それが、「日本が抱える問題を正視し、問う勇気を!」ということです。誰かのせいにして逃げずに戦う鷲津(主人公)の目を通して、日本が抱える問題について、ファイナンス的な観点から見た骨太な作品となっています。

「ハゲタカ」のドラマは今回で2回目

実は、ハゲタカは2007年NHKで大森南朋主演でドラマ化、2018年は綾野剛主演でドラマ化しています。最初に放送された2007年当時は、堀江貴文氏や村上世彰氏(村上ファンド)が逮捕された直後でした。

外資のハゲタカが日本企業を敵対的に買収したり、村上ファンドの代表である村上世彰氏のような「もの言う株主」が台頭したりした時代です。言うなれば、金融市場の転換期であり、それを巧みに取り入れたハゲタカは人気を博しました。

2018年のドラマの方は、概ね2007年のストーリーに沿っています。しかし、登場人物が異なり、ストーリーも微妙に違う点があるので、また違った視点で骨太な金融ドラマはをしめます。以下はハゲタカの感想をツイートしている事例ですが、ストーリーや演技に定評があるようです。




ドラマ「ハゲタカ」から学ぶ投資術

さて、そんなハゲタカから学ぶ投資術を紹介していきます。

1)まず徹底して調べる。

どの回も「ハゲタカ」のチームは徹底的に調べます。数字はもちろん、現場も徹底的に確認します。たとえば、「バルクセール」と言われる不良債権を銀行からいくらで買い取るかを試算するシーン。

その債権の中には、ラブホテルなどの不動産も含まれており、一軒ずつ部屋の仕様や管理状況、賃借人をチェックします。その結果、価値のあるものかどうかを明確な理由をもって提示し、最終的には驚異的な金額での買い取りに成功するのです。

2)膿を出し切り、膿を捨て去る判断をする。

鷲津は、徹底して悪い金の流れを排除し、誰を残して誰を残さないべきなのかを議論します。これは一見すると、冷酷な存在に見えますが、実は企業にとって最良の道なのです。たとえば、経営が傾いた寝具メーカーの立て直しのときは、たとえ経営者が創業者の娘でも容赦しません。

会社を私物化する経営者一族の放漫経営を止めさせるべく奔走します。そして、結果的にバイアウトに成功し、悪しき創業者一族を退陣に追い込むでしょう。これが日本の銀行であれば創業者一族は残したでしょう。

しかし、そうなると会社を私物化している創業者一族に牛耳られ、近い将来に破綻に追い込まれていたと思われます。つまり、ハゲタカと呼ばれる企業が、日本の寝具メーカーを結果的に救ったのです。

3)タイムイズマネー

ハゲタカはいかに「最短で事をなすか」を重要視しています。時間の価値の重要性を深く理解しているのです。「時間はお金である」という言葉通り、鷲津は無駄な時間を使いません。とにかく合理的に情を捨て、目的のために最短ルートを辿ります。

投資の世界でタイムズマネーは当たり前です。タイムイズマネーの本当の意味は、機会損失しないこと、金には仕事させることです。単に浪費している時間は、その時間で労働して対価を得る機会を損失しています。また、1日でも早く投資をすれば、その投資でまたお金を生む機会が増えるというわけです。

ドラマ「ハゲタカ」から学ぶ、投資の基本。(後編)