不動産投資をするなら知っておくべき「投資」と「投機」の違い
投機とは?
投機とは、市場価格の変動による差益のみを狙って売買取引を行うことを指します。
すなわち、株の短期売買など、売値と買値の「差」で儲ける方法です(キャピタルゲイン)。株の売買でいうと、A社の株が上がりそうだからA社の株を取得し、2日後に上昇したので売る・・・というような売買を繰り返し、資産を築くのが「投機」のやり方です。
いわゆるデイトレーダーという人種が存在するように、秒単位・分単位で売買を繰り返す人もいます。しかし、株価は業績や風聞と連動するので、利益が上がるかどうかは常に「賭け」です。これは、FXや不動産など他の商品でも同じことが言えます。
確かに、「チャート的に・・・」「こんな報道があったから・・」など、その株を取得する根拠はあるのでしょうが、当たるも八卦当たらぬも八卦の世界であることには変わりありません。
投資とは?
一方、投資はキャピタルゲインではなくインカムゲインの要素が大きいです。インカムゲインとは、不動産投資でいうと継続的な家賃収入、株式投資でいうと配当収入がメインの投資になります。要は、「保有している期間×キャッシュフロー」で得る利益であり、時間経過によって利益を得るのがメリットです。
同じ利回りであれば、10年運用するよりも20年運用する方が収益は大きいです。この「時間」に関しては、投資において大事なキーワードになります。
何もキャピタルゲインがメインである投機を批判しているわけではありません。ただ、投機の場合は利益確定も早いですが、損失の確定も早いので、短期間で大きな利益を上げることもありますが、その逆に大きな損失を出すこともあります。
つまり、投機はハイリスク・ハイリターンになりがちなので、そのリスクを熟知し、受け入れられる人だけが選ぶべきなのです。インカムゲインをメインにしている投資の代表格が不動産投資であり、時間を上手く活用するのが不動産投資を成功させるコツです。
不動産投資は「投資」。だからこそ重視したい長期戦略の立て方
さて、前項のように不動産投資は投機ではなく投資なので、「時間」がキーワードになります。言い換えると、「長期間」利益を生み出し続けることが重要であり、10年・20年と栄える物件を探すのがポイントです。
たとえば・・・
・地域の人口動態
・行政の再開発計画
・競合物件の数
など、そのエリアで賃借人が存在し続けるかどうか?という長期戦略を立てなければいけません。仮に、これが投機であれば、「半年後に10%値上がりする物件は?」という視点で探しますが、あくまでインカムゲインがメインの「投資」であることを意識しましょう。
逆に言うと、長期的にインカムゲインで儲けることは諦めて、キャピタルゲイン狙いであれば、「半年後に10%値上がりする物件は?」のような視点が大事になります。
あなたは「時間」を無駄に過ごすか、それとも「時間」を使って稼ぐか
世間には沢山の不動産投資家がいますが、最近では会社員や公務員の方が興味を持って不動産投資に足を踏み入れるケースも増えてきています。投資家と会社員は、長期的な視点を持てるかどうかという点で、不動産投資へのスタンスも将来の資産も異なります。
たとえば、同じ会社員であるAさんとBさんがいます。Aさんは時間をかけてエリアを調査し、長期的に稼げる物件を探し不動産投資をしました。Bさんは投資には手を出さずに銀行に預けておいたとします。
10年後、この1人の資産はどのように変化すると思いますか?Aさんは毎月家賃収入というインカムゲインがある上に、不動産という資産を持っています。値上がりしていれば、売却してキャピタルゲインを得るという選択肢もあります。
一方Bさんは、現金は少しずつ貯まっているかもしれません。しかし、コツコツと貯めたお金は、銀行預金の金利分しか増えることはありません。それどころかインフレになれば、お金の価値はひとりでに下がっていきます。このように、10年という時間を有効に使うか?それとも無駄に使うか?という差が生まれるというわけです。