株式会社スペースエージェント

不動産投資家が持つべき「地価」の肌感と、地価を知るための手段について

不動産投資家が投資する不動産を選ぶときは、その「物件」だけに目がいきがちです。確かに、その物件の収益性が最も重要なポイントになるのは事実ですが、「地価」は肌感覚で知っておきましょう。そうすることで、そのエリアの価値が分かり、物件ではなく「そのエリアは魅力的か?」が分かってきます。

 

不動産投資家が地価を知る重要性

実際に地価を調べるには、以下2つの価額を調べるのが良いでしょう。
・公示地価
・路線価

公示地価は、あらかじめ決まっている基準地の地価を、国土交通省が毎年1月1日時点で算出している価額です。基準地が決まっているということで、自分が投資したい土地が基準地でなければ周辺を調べるしかありません。

ただ、公示地価は路線価をはじめ、固定資産税評価額など全ての「基準」となる価額なので、一般的にいう地価=公示地価と思って良いです。一方、路線価は土地の相続税評価額を算出するために決められており、公示地価の7割ほどの価格に設定されます。

いずれにしろ、地価はエリアの価値なので、地価と物件価格は相関します。そして、その地域の将来性を表すマクロ指標になるので、不動産投資をする上では知っておきたい情報です。

 

地価を知る具体的方法 – 路線価と公示地価

では、実際に公示地価・路線価を調べてみましょう。今回は、スペースエージェント社が所在する渋谷区恵比寿南1丁目1-1に最も近い地域の地価を調べてみます。
 

公示地価の調べ方

まず公示地価を調べる方法は以下の通りです。
・国土交通省地価公示・都道府県地価調査※へアクセス
・エリアの選定をして公示地価をチェック

前項で言ったように、公示地価は基準値を決めているので、該当の土地をピンポイントで調べられることは少ないです。今回の渋谷区恵比寿南1丁目1-1近くでいうと、東京都渋谷区恵比寿南3丁目123番6が最も近い基準地であり、1㎡辺り280万円でした。

つまり、500㎡の土地であれば、14億円が公示地価から算出する地価ということです。

※国都交通省 国土交通省地価公示・都道府県地価調査
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0

 

路線価の調べ方

次に路線価の調べ方を解説します。路線価図の調べ方も公示地価と似ており、以下の流れになります。
・路線価図・評価倍率表※のサイトへアクセス
・エリアを指定して該当エリアの路線価図※を探します
・路線価をチェックして算出する

上記で調べてみると、該当の渋谷区恵比寿南1丁目1-1は四面の道路に面しています。そのうち、今回調べたい土地が、北側部分の大通りのみに面していると仮定しましょう。大通りは「4270B」という表記であり、これは1㎡あたり4,270千円(427万円)という意味です。

そのため、500㎡の土地であれば21億3,500万円が路線価になります。「B」という表記は借地権のときは90%になるという意味なので、借地権の場合19億円2,150万円まで路線価は下がります。これは、借地権の方が相続税は軽減されることを意味しています。

※路線価図・評価倍率表
http://www.rosenka.nta.go.jp/

※該当住所の路線価図
http://www.rosenka.nta.go.jp/main_h30/tokyo/tokyo/prices/html/40060f.htm

地価を手掛かりに不動産投資を

さて、前項で調べた公示地価や路線価を、不動産投資へ活かす方法は以下です。
・周辺の地価と比べてみる
・年度後の上昇をチェックしてみる

繰り返しますが、公示地価は基準値が決まっているので、ピンポイントで地価を調べることはできません。そのため、ザックリとその「エリア」の価値を確かめるのに適しているでしょう。一方、路線価はピンポイントで地価を調べられるので、その土地の地価を調べるときに適しています。

いずれにしろ、周辺の地価と比べて評価はどうか?昨年、一昨年と比べて上昇しているか?という点に注目しましょう。そうすれば、その物件ではなくエリア的な価値が肌感覚として分かってくるので、「そのエリアで不動産投資をするべきか?」という判断の材料になります。