2018.10.05 「一発退場」だけは避けよう。不動産投資におけるローン返済の重要性
結論からいうと、不動産投資は一発退場のリスクは低いものの、ローン返済の重要性を知らない場合、一抹のリスクが残ることになります。今回は、「不動産投資で一発退場のリスクを軽減させる方法」を解説していきます。
冒頭でいったように、不動産投資は一発退場のリスクは小さいです。なぜなら、不動産投資は基本的には家賃収入(インカムゲイン)という安定した収益源がある投資だからです。
一発退場のリスクが高いのは、主に売買の差額(キャッシュゲイン)をメインにしており、なおかつ短期売買の投資である場合に多いです。たとえば、デイトレードやFXの短期売買であれば1時間で資産がゼロになることさえあります。
とはいえ、不動産投資にも一発退場は存在し、それは「ローンの返済に失敗したとき」です。即退場という訳ではないのですが、ローン返済が滞ると、以下のようにじわじわと追い詰められていきます。
・返済が遅れる
・金融機関から催促がくる
・無視しづけると保証会社が代位弁済(債券者が変更)
・任意売却をすすめられる
・保証会社が一括返済を求める
・応じないと強制的に競売
競売になると、相場の半分程度まで売却価格が下がることもあり得ます。そうなると、当然ローンは完済できないので、多額の借金を残したまま不動産市場からも退場になるということです。
また、数カ月返済が遅れただけでも、対応が不誠実だと銀行のブラックリストに乗ってしまう可能性があります。万が一返済が遅れそうな場合は、必ず事前に連絡しておきましょう。
では、どうすれば返済に失敗しない「無理のない投資」が可能になるのか?
ごく簡単な答えとしては、「返済比率を適切に設定すること」です。
返済比率とは、「毎月返済額÷満室時の毎月の家賃収入」で算出される数値であり、目安は50%以下です。
たとえば、区分マンション(1室)の不動産投資をしており、ローン返済が毎月7万円で、満室時の毎月の家賃収入が13万円であれば返済比率は53.8%になります。この場合、単純に考えて毎月8万円(13万円-7万円)の余裕があります。
ただ、ローン支払い以外にも経費はありますし、いつ空室になるか分かりません。そのため、返済比率は50%程度に設定しておき、ローン支払い額を差し引いても半分以上の収入は手元に残るようにしないといけません。
ただ、返済比率は以下の点に注意しましょう。
・築古物件は空室率が高くなるリスクがあるので、より低い返済率に設定
・返済比率だけにこだわりすぎない
まずは、空室率が高くなると判断すれば、返済比率は下げましょう。そうすることで、手元にお金が残るキャッシュフローになるので、将来の空室リスクに備えることができます。
また、たとえば「返済比率40%以下の物件しか買わない」のような方針を設定してしまうと、物件探しのハードルは高くなります。自分に厳しい条件を課しすぎて、結局投資ができないという事態は避けるべきです。
そのため、まずは目ぼしい物件をいくつかピックアップして、返済比率を算出してみましょう。その上で、50%を目安として自分の無理のない範囲で返済比率を設定することをおすすめします。
不動産投資をする限り銀行との付き合いは必須です。むしろ、融資を受けることによる「レバレッジ効果の高さ」も不動産投資の魅力の一つと言えるでしょう。仮に、ローンを滞納して「競売」の前に運よく任意売却できても、失った銀行の信用は取り戻せません。
そうなると、次に融資をしてくれる銀行は見つからず、実質不動産市場から退場させられています。これらのことから、「ローンの返済はとにかく大事」をいうことを念頭に置いて、無理のない不動産投資戦略を立てましょう。