そうならないためには、安定したキャッシュフローを生み出す物件選びが不可欠になります。今回は、心臓に悪い不安定な投資にならないように、「物件選びの際に意識すべきこと」について解説します。
安定したキャッシュフローが不動産投資成功の鍵
投資は安定性、リスクヘッジが大切です。安定していない投資の代表格は「投機」であり、それはギャンブルと同じといえるでしょう。不動産投資ではキャッシュフローが安定していれば、投資の安定性をある程度確保できます。
では、安定したキャッシュフローを得るためにはどんなことに気をつければいいでしょうか?物件を考えるときに注意することは主に以下2点です。
・出口戦略が見えやすいこと
・突然の出費が生じにくいこと
出口戦略が見えやすいこと
不動産投資は極論すると、物件を売るまで「結局、どれだけ儲かったか?」が分かりません。いくら家賃収入をもらっていても、安値で売却して損をすれば、今までの家賃収入は吹っ飛びます。そのため、最終的にどの程度で物件が売れるかの目処が立っていないと、最後の最後で失敗してしまう可能性があります。
それは、「安定した投資」とは到底言えずに、冒頭でいったように常にドキドキしながら投資しなければいけなくなるかもしれません。そのため、家賃収入をメインに考えながらも、いざ売却するときに売りにくい物件は避けるべきです。
たとえば、築古物件は利回りが高くなりやすいですが、どうしても売却しにくくなります。また、一棟マンションも売値が大きくなるので、買い手は見つかりにくいです。
このように、「家賃収益はどのくらい安定的にもらえる?」を第一優先にしながらも、「買い手は付きやすい物件か?」を加味した物件選びが重要になります。
突然の出費が生じにくいこと
不動産投資の収益は「年間家賃収入-年間経費」に、将来的な売却を加味して計算します。そのため、年間経費の部分に相当する「突然の出費」が高くなれば、家賃収入が落ちてしまうというリスクにつながるのです。
突然の出費とは、たとえば以下のような項目になります。
・築古物件なので突然の修繕費が不定期で生じる
・地方のワンルームマンションで空室期間が長い
・一棟物件なので共用部のメンテナンス費用が突発的に発生する
このような出費が多いと、いつまで経ってもキャッシュフロー(手元に残るお金)は安定しません。そうなると、前項以上に心臓に悪い思いをして過ごさなければいけなくなるのです。
不安定な投資は精神的に辛い
不動産投資では安定したキャッシュフローが大切です。ただ、たとえキャッシュフローがマイナスでも、売値によっては最終的に収支がプラスになる可能性はあります。しかし、キャッシュフローがマイナスである限り、不動産を運用しているときは常に不安にさらされてしまうでしょう。
それは、「この物件は将来きちんと売れるのか?」と出口戦略が不透明なときも同じことが言えます。仮に、不動産投資を10年間行い結果的に収支がプラスになっても、心臓に悪い日々を送っていれば「豊かな人生を送る」という意味では投資に失敗したといえます。
そのため、キャッシュフローの安定と出口戦略はセットで考え、精神的にも余裕のある投資を心がけましょう。人生を豊かになるために始めた投資で、「毎月起きるか分からない出費に怯える」「物件が売れるか分からない不安で体調を崩す」なんてことになっては本末転倒です。