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2018.11.10 RC造?S造?木造? 構造別で読み解く「収益物件」の特性

不動産の構造はどのようなものがあるかご存知でしょうか?不動産投資家であれば、この質問には即答できるべきでしょう。それほど、不動産投資と構造は重要な関係ということです。今回は、そんな「建物の構造」について詳しく解説していきます。

 

 

不動産投資で「構造」は重要

不動産投資の情報を色々と集めていると、「RC構造がいい」「木造の物件が良い」など、物件の構造に即したさまざまな情報を手に入れる機会は多いものです。

不動産投資の対象になる建物の構造には、SRC造、RC造、S造、木造に大別することができます。不動産投資家たるもの、この構造による特徴は把握しておきましょう。

 

単身者の選択肢はマンションの賃貸物件

まず、単身者が居住地を選ぶときは、マンションの賃貸物件がメインになります。たとえば、ファミリー層であれば「戸建」をという選択肢が増え、さらに戸建もマンションも「購入する」という選択肢も増えます。

一方、単身者の中で「戸建」を選ぶ人は少ないですし、ファミリー層ほど「購入」を選ぶ人も少ないと考えられます。つまり、競合物件が少ないので単身者をターゲットにするワンルーム投資は需要が高いのです。

 

SRC造・RC造

SRC構造は鉄骨鉄筋コンクリート造であり、RC造は鉄筋コンクリート造です。鉄筋のまわりをコンクリートで覆った素材が鉄筋コンクリートであり、さらに鉄骨が内部に配置されているのが鉄骨鉄筋コンクリートになります。そのため、SRC造の方がRC造より強固です。

一般的なマンションはRC造であり、タワーマンションなど高層建物はSRC造になります。ただ、全てSRC造にすると建物自体が重くなりすぎるので、下層階のみSRC造で中層階~上層階はRC造というケースが多いです。

 

S造

S造は鉄骨造のことであり、鉄の厚さが4mm以内を軽量鉄骨、それ以上は重量鉄骨と大別されます。軽量鉄骨は、中規模なアパートや大きな戸建に利用され、重量鉄骨は低層住宅から高層ビルまで幅広い範囲で利用される造りです。

ただ、SRC造と同様に、高層建物の場合には「一部がS造(重量)で、ほかはRC造」というような造りが多いです。

 

木造

木造はその名の通り木で造られている建物になります。一般的な戸建やアパートに利用される構造です。

 

5つの視点から構造の特性を把握する

さて、次に以下5つの視点から構造の特性を把握しましょう。

 

震性・耐火性・遮音性

耐震性・耐火性・遮音性に関しては、木造よりもRC造・S・SRCの方が強いです。やはり、素材的に鉄骨や鉄筋、そしてコンクリートの方が密度は高く、そもそも耐火性に優れている素材である点が理由になります。
 

コスト

コスト面では、木造、S造、RC造、SRC造の順番で安価です。特に、木造は素材が木なので、S・RC・SRC造と違い加工の手間が断トツで少ないため、コスト面では木造に軍配が上がります。

 

耐用年数

耐用年数とは、国税庁が定めている「長期にわたり反復使用に耐える経済的に価値があるもの」です。構造ごとに以下のような違いがあります。
・SRCおよびRC造:47年
・S造(重量):34年
・S造(軽量):19年~27年
・木造:22年
※いずれも住宅の用途

耐用年数によって以下のような違いがあるので、不動産投資においては非常に重要な要素となるのです。

 

融資の受けやすさ

まず、耐用年数が長いほど融資を受けやすいです。なぜなら、耐用年数が長いということは資産価値が長く保たれるということなので、金融機関としては担保価値が高いと判断するからです。ただ、その点は築年数にもよるので、前項の耐用年数と現在の築年数のバランスで決まります。

 

減価償却費用

不動産投資は「経費」を計上することで、家賃収入からマイナスして節税することができます。その減価償却費用を計上できる期間は耐用年数とイコールです。

そのため、耐用年数が長いほど減価償却費用の計上期間が長くなります。融資と減価償却費用の計上は、不動産投資のキャッシュフローに大きな影響を与える要素です。

構造をきちんと把握し、自分なりの投資スタイルを

このように、構造によって物件の特性が異なります。木造はコストが安価という点に優位性があり、それ以外は耐震性・耐火性・遮音性、そして耐用年数という面で優位性があります。

耐用年数などの観点で「RC造が良い」という人は少なくないですが、木造の物件であればコストが抑えられるという大きなメリットがあります。コストを抑えられるということは、小規模投資や現金買い、自分での改築を狙う人にとっては向いている投資です。

それぞれの資金計画によって、どの構造の物件を好むかは異なってくるものなので、一概にどの構造がベストとはいえません。それぞれの構造の特性を知り、自分の投資スタイルに合った不動産を選びましょう。