敵を知り己を知れば、百戦殆うからず
人間には、どうしても「他人と自分を比べてしまう」という習性があります。たとえば、ほかの投資家がSNSのプロフィールに「不動産投資家 35歳5棟25室経営」などの文言を記載しているのを見て、「わたしも早く投資をして資産を増やさなければ!」と思う人はいるのではないでしょうか。
しかし、その感情のまま勢いで不動産投資の世界に足を踏み入れてはいけません。一旦立ち止まって、自分は「1棟あたりの管理コストを下げてどんどん投資対象を広げていくタイプ」なのか、「1つの物件について戦略を練り、手を広げていくタイプ」なのかを検証しましょう。
それを見極めることで、無駄に他者を意識することがなくなり、適切な投資戦略の立案につながっていきます。
目指すべき大家像はどっち?
さて、大きく分けて不動産投資をする人のタイプは以下2つに分けられます。
・古き良き大家タイプ
・資産を積極的に拡大する投資家タイプ
まず、自分がどちらのタイプなのか?もしくはどちらを目指すべきか?を考えます。
エリアによっては売却しやすい
ワンルームマンションを売るときは、主に不動産投資家がターゲットになるので、「入居用」に購入する層を取り込みにくいです。そのため、広めのマンションよりはターゲットが少なく売りにくいのですが、それも収益性の高いエリアを選ぶことでカバーできます。
そして、前項の通りワンルームマンションは賃貸需要が高いので、収益性が高い物件になりやすいのです。
古き良き大家タイプ
このタイプの人は大家業が「副業である」という認識です。副業ということは、大家業が仕事の一部であると認識し、大家業に「やりがい」を求める人も多いです。
具体的には、「入居希望者のスクリーニングがうまい」「DIYで改修がうまい」など、自らの大家としての技量向上にやりがいを感じ、物件に程よく愛着を持つといった性格の人といえるでしょう。たとえば、休みの日に友人と一緒にワイワイ外観のペンキ塗りをするような人です。
さて、不動産投資のコツは「入居者の心理で物件を見ること」です。たとえば、若い女性が住みそうな物件であれば、セキュリティ・防音性・水回り設備などを強化した方が良いでしょう。一方、若い男性が住みそうな物件であれば、逆にあまり手を加えず「家賃の安さ」を優先した方が良いかもしれません。
仮に、あなたが「自分は古き良き大家タイプではないな~」と思っているとします。しかし、この大家タイプの人は「入居者の心理で物件を見ること」という不動産投資の本質に迫っているので、たとえ自分とは合わないタイプと思っても、そのマインドを程よく取り入れることをおすすめします。
資産を積極的に拡大する投資家タイプ
この投資家タイプの人は、とにかく最小リスクで最速の資産形成をして、不労所得を積極的に追い求めていくタイプの人です。たとえば、新築ワンルームなど手のかからない物件を重点的に選び、手間をなるべくかけずに効率よく収益を上げたいという人です。
結論からいうと、大家タイプと投資家タイプのどちらもマインドも持っておくべきです。自分が投資家タイプと思うのであれば、効率性を追い求めつつ「入居者の心理を考える」という点を強化しましょう。そうすれば、入居者のスクリーンニングや補修する際の判断に活きてきます。
一方、自分が大家タイプであれば、投資家タイプの「効率的に不労所得をつくる」というマインドを大事にしましょう。そうしないと、大家としてのスキルは上がるものの、収益性の低い物件運用になってしまいます。
実際には投資家ごとに両方の側面がある
このように、不動産投資家は大きく「大家タイプ」と「投資家タイプ」に大別されますが、重要なことはどちらのスタンスも意識するという点です。自分の現状、捻出できる時間、モチベーションの続くスタンスは何か?を考えつつ、自分とは別のスタンスも程よく取り入れましょう。